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平成31年第362回定例会(第3号 2月27日)

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  1. 愛媛県議会 2019-02-27
    平成31年第362回定例会(第3号 2月27日)


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    平成31年第362回定例会(第3号 2月27日) 第362回愛媛県議会定例会会議録  第3号 平成31年2月27日(水曜日)   〇出席議員 41名   1番  武 井 多佳子   2番  田 中 克 彦   3番  松 井 宏 治   4番  塩 出   崇   5番  高 橋 英 行   6番  松 下 行 吉   7番  川 本 健 太   8番  帽 子 大 輔   9番  大 石   豪   10番  宇 高 英 治   11番  欠     番   12番  欠     番   13番  菊 池 伸 英   14番  福 田   剛   15番  中   政 勝   16番  逢 坂 節 子
      17番  古 川 拓 哉   18番  兵 頭   竜   19番  大 西   誠   20番  松 尾 和 久   21番  欠     番   22番  欠     番   23番  木 村   誉   24番  石 川   稔   25番  梶 谷 大 治   26番  西 田 洋 一   28番  大 西   渡   29番  福 羅 浩 一   30番  三 宅 浩 正   31番  欠     番   32番  欠     番   33番  欠     番   34番  欠     番   35番  欠     番   36番  笹 岡 博 之   37番  黒 川 洋 介   38番  毛 利 修 三   39番  徳 永 繁 樹   40番  高 山 康 人   41番  渡 部   浩   42番  戒 能 潤之介   43番  鈴 木 俊 広   44番  欠     番   45番  横 田 弘 之   46番  越 智   忍   47番  村 上   要   50番  欠     番   51番  西 原 進 平   52番  中 畑 保 一   53番  明 比 昭 治   54番  岡 田 志 朗   55番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 3名   27番  中 田   廣   48番  赤 松 泰 伸   49番  本 宮   勇   ―――――――――― 〇欠  員 3名   ―――――――――― 〇出席理事者  知事          中 村 時 広  副知事         神 野 一 仁  副知事         原   昌 史  公営企業管理者     兵 頭 昭 洋  総務部長        菅   豊 正  企画振興部長      西 本 牧 史  スポーツ・文化部長   土 居 忠 博  防災安全統括部長    福 井 琴 樹  県民環境部長      金 子 浩 一  保健福祉部長      山 口 真 司  営業本部長       八十島 一 幸  経済労働部長      田 中 英 樹  農林水産部長      田 所 竜 二  土木部長        杉 本   寧  会計管理者出納局長   岸 本 憲 彦  教育長         三 好 伊佐夫  副教育長        武 智 俊 和  人事委員会委員     山 本 惠 三  公安委員会委員長    渡 部 智磨子  警察本部長       松 下   整  監査委員        本 田 和 良  監査事務局長      山 本 亜紀子   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長        内 田 万 美  事務局次長       山 田 裕 章  参事総務課長      北 川 謙 二  参事議事調査課長    松 本 賢 固  参事政務調査室長    西 田 洋 一  議事調査課主幹     井 原 重 喜   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第4号議案ないし定第58号議案      午前10時30分 開議 ○(鈴木俊広議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者毛利修三議員越智忍議員を指名いたします。   ――――――――――――――――― ○(鈴木俊広議長) これから、定第4号議案平成31年度愛媛県一般会計予算ないし定第58号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(逢坂節子議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 逢坂節子議員   〔逢坂節子議員登壇〕 ○(逢坂節子議員) (拍手)おはようございます。  社民党の逢坂でございます。  会派を代表いたしまして、質問をいたします。  まず初めに、国政の現状について質問いたします。  厚生労働省による毎月勤労統計の不正調査を受けて、各府省庁が56の基幹統計を点検した結果、23統計調査について不適切な処理がなされていたことがわかりました。政策立案の基礎となる重要な統計でずさんな対応が横行していたことが明らかになり、これまでの政府、行政への不信を一層増長させるもので、我が国のあり方を根底から覆すものと厳しく指弾されねばなりません。  あわせて、これら統計に基づいて、アベノミクスが成功したと言い続けた安倍政治は、フェイクに塗り染められたものであったとも申し上げねばなりません。  さらに、政府は、いざなぎ景気を抜き、ことし1月で戦後最長の景気拡大になったとしていますが、2012年度から17年度を平均した実質成長率は1.2%、いざなぎ景気の平均が10.1%と、今回がいかに実感なき景気持続かを数字は物語っており、県議会における質疑でも、知事から、中小零細企業や地方においてはアベノミクスの成果が実感できる状況にないと答弁されているように、私たち県民の感覚も同様でありました。統計の不正もさることながら、金融緩和を柱とするアベノミクス正体そのものが虚構であったことを物語っているのではないでしょうか。  信憑性は別として、財務省統計から見てみますと、2012年度から17年度の企業の経常利益は48兆円から74%増加していますが、一方で、大企業が史上最高益を上げながら、賃金は上がらずに格差が拡大し、労働分配率は66.2%と歴史的低水準まで落ち込んでいます。  また、2018年10月、安倍首相は、賃上げは5年連続で今世紀に入って最も高い水準と述べていますが、大企業のデータでさえ、1人当たりの年収は5年間で2.7%の増、この間、物価は消費増税分を含めて6%近く上がり、実質賃金は18.5万円の減となっているなど、安倍政権はこれまで経済の行き詰まりが指摘されていながら、アベノミクスを強引に進めてきたのであります。  そこで、お尋ねいたします。  政府統計のあり方の問題や、アベノミクスに代表される今日の国政の現状を知事はどのように認識しているのでしょうか、所見をお聞かせください。  次に、予算編成について質問いたします。
     公約では、西日本豪雨災害からの復興を最優先に、防災・減災対策人口減少対策地域経済活性化対策の3つの重点分野のさらなる深化に取り組むとされております。  特に、豪雨災害からの復興に向けては、知事みずからが被災地に何度も足を運び、被災者の声を聞き、先日の臨時議会での補正予算を含めて、6回にわたる迅速な補正予算の編成により、切れ目なくきめ細やかに対応されてきたところであり、豪雨災害対応の検証や復興支援動画の公開など、今後に向けた取り組みも進んでおります。  また、重点分野においても、デジタルマーケティングを活用した戦略的な情報発信や営業活動の強化、国体レガシーも活用したスポーツ振興など、既に多くの取り組みも進んでいるなど、知事は、かねてより公約の実現に徹底的にこだわると言われてきたところであります。  一方、これまでの西日本豪雨災害対策予算は1,000億円を超え、その財源として財源対策用基金約183億円を思い切って投入されております。その基金については、財政健全化基本方針第2ステージで、東京都を除く全国平均並みの残高を確保することを目標に設定して、これまでスクラップ・アンド・ビルドの徹底や執行段階での節減努力などにより、着実に積み増してこられました。  しかしながら、今年度末残高見込みについては、国の財源措置により一部復元が見込まれているものの、未曽有の豪雨災害等により116億円が一気に減少し、年度末残高は340億円が見込まれ、来年度当初予算でも80億円の取り崩しを行うことから、来年度末残高は260億円にまで減少する見込みであるなど、目標の達成は危ぶまれる状況となっており、県債残高も、来年度末見込みで1兆481億円と高どまりの傾向にあります。  知事の掲げる第3ステージの公約の実現には、まだまだ多くの財源が必要と考えますが、基金や県債の状況を踏まえると、今後の財政運営は厳しさを増すものと考えます。  そこで、お尋ねいたします。  公約の実現に向け、来年度当初予算の編成にどのように取り組んだのか、また、財政健全化に今後どう取り組むのか、御所見をお聞かせください。  次に、加計学園の問題について質問いたします。  2月補正予算には、岡山理科大学獣医学部に関して、今治市に対する補助金約10億2,000万円が盛り込まれております。9月議会でも質問させていただきましたが、加計学園の誠実な対応がなされないまま税金を投入することは、県民の理解を得られないと考えます。  10月7日に加計理事長の再会見が行われ、理事長と安倍首相の面会に関し、当時の加計学園事務局長が、県や今治市に虚偽の内容を伝えたと謝罪する一方で、県文書を読まずに会見に臨み、根拠を示さずに首相との面会は明確に否定するその対応に県民の疑念が払拭されたとは言えず、対外的な説明責任を果たすことなどを求めた県議会の決議に応えるものであったとは到底思われません。  そこで、お尋ねいたします。  大学獣医学部に係る今治市への支援に当たり、加計学園説明責任を果たしたと認識しているのか、お聞かせください。  次に、人口減少少子化対策について質問いたします。  人口減少少子高齢化が急速に進む中、東京一極集中の傾向が継続しており、より著しい人口の低密度化が予想される地方圏では、地域づくりの担い手の育成、確保が大きな課題の一つとなっています。これからの地域づくりの担い手として、従来からの地域住民だけではなく、移住者等も含め、地域内外の担い手を広くつなぎとめていくことが求められています。  また、人口減少危機に対する有効な対策として、若い世代が安心して結婚・子育てができる環境を築き、子育て負担の大胆な軽減など、抜本的強化を行うことも求められています。  本県では、厚生労働省が公表した2017年の人口動態統計によると、合計特殊出生率は1.54で全国20位となっており、全国平均の1.43は上回っているものの、人口維持に必要とされる2.07を下回っています。また、2017年の本県の出生数は9,569人で前年より342人減少し、戦後最少となっており、厳しい少子化危機に直面しています。  そこで、お尋ねいたします。  本県では、移住人口増加を図るべく、各地域で愛媛を体感できるえひめ暮らし魅力体感ツアーや離島地域の活性化を目的としたえひめ愛らんどマルシェ2018、就職・就農相談ができる愛あるえひめ暮らしフェア等が開催されましたが、移住施策の取り組み状況移住者数の状況はどうなっているのか。また、本県に移住する人々が円滑に移住できる環境づくりに向け、県は今後、どう取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  さらに、子育てをする女性や子供たちが快適に過ごせる社会は、働く男性や高齢者、若者にとっても、みんなに優しい社会となり、人口減少対策にもつながると考えられますが、若い世代が安心して結婚・子育てができる環境づくりに向けた県の今後の対応をお示しください。  次に、子供医療について質問いたします。  2018年7月6日に公表した厚生労働省の乳幼児等に係る医療費の援助についての調査によると、子供の医療費に対して、全ての都道府県、市区町村で独自の助成が行われていますが、都道府県では、通院、入院とも就学前までを対象とするところが最も多く、一方、市区町村では、中学卒業までの助成をしている自治体が最も多くなっております。  本県の子供医療費助成制度については、依然として、通院と入院ともに対象が就学前までで、一定割合の助成となっており、20市町全ての自治体で自己負担分を全額負担しています。対象年齢については、入院は鬼北町が高校卒業までとなっており、それ以外の市町は中学卒業までとなっています。一方、通院については現時点で、17市町が中学卒業まで、鬼北町が高校卒業までとなっているほか、今治市では歯科受診に限り対象としており、松山市のみが就学前までとなっています。  愛媛県議会は、2001年6月議会、そして2009年9月議会、乳幼児医療費無料化制度の創設を求める意見書を採択し、最初の意見書を国に提出して17年以上が経過しましたが、国の動きはなく実現には至っていません。  私も、幾度となく本会議で質問をしてまいりましたが、国の制度設計がおくれている今、全市町で通院、入院とも中学卒業まで医療費無料化を実現すべく、県が率先して子供医療費助成制度設計を行い、後押しをしていくべきであり、松山市の通院費についても、決して容易なことではありませんが、中学卒業までの無料化の実現に向け、早急に取り組んでいくべきであると考えます。  入院及び通院費について、10都府県では、既に中学校卒業までを補助対象としており、本県においても、果敢な決断と行動があればなし遂げることができると考えますが、いかがでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。  県による医療費助成を通院、入院とも中学卒業までに拡大することを目指し、実施に当たっては、財政的負担の激変緩和や市町との調整を図るため、段階的に対象年齢を拡大していくことも一つの方策であると思われますが、いかがでしょうか。  次に、保健医療福祉の充実について質問いたします。  昨年6月に公表された骨太の方針2018では、プライマリーバランス黒字化目標を従来の2020年から2025年へと先送りしました。政府は、アベノミクスにより経済成長は順調と見られているようですが、米中貿易摩擦など国際経済状況を踏まえると、甚だ見通しが甘いと言わざるを得ません。さらに、問題は少子高齢化による社会保障費の増嵩であります。  2018年の出生数は推計92万人と、2年前に100万人を切ってから急速に減少しており、国立社会保障人口問題研究所の将来推計人口によると、総人口は、現在の1億2,400万人から2065年には8,800万人にまで減少し、高齢化率は28%超から4割近くにまでなるとされております。  こうした状況を前に、社会保障給付費は毎年伸びており、昨年5月に内閣府等がまとめた2040年を見据えた社会保障の将来見通しでは、高齢人口がピークとなる2040年には、現在の1.6倍の190兆円に達するとされております。  財務省が発表したところでは、国債など国、地方の借金は2018年12月末現在で、1,100兆5,266億円と過去最高を更新し、少子高齢化の進行が進むとさらに大きなツケを子供たちや孫に回すことになるのであります。  安倍政権は、全世代型社会保障制度への転換を進めていますが、森友、加計学園問題、統計不正問題など、政府への信頼が地に落ちている中、安倍政権にこの国の未来を託すわけにはいきません。  一方で、本県の来年度当初予算案を見てみますと、最優先課題である西日本豪雨災害からの復旧・復興を初め、公約に掲げられた防災・減災対策人口減少対策地域経済活性化対策の3つの重点分野のさらなる深化のほか、スポーツや文化の振興、そして自転車新文化の推進などにも積極に取り組まれようとしています。もちろん、いずれの施策も愛顔あふれる故郷づくりの実現のため重要な取り組みばかりでありますが、私は、何より県民が毎日を安心して暮らし、幸せを実感するためには、社会保障制度の充実こそが大事ではないかと考えます。  これまで本県では、切迫した住民ニーズに対応するため、国の社会保障制度を補完し現場を懸命に支えてきたこととは思いますが、これまで何度か質問させていただきました子供医療費の充実を初め、自治体みずからの判断や工夫でできることもあると思います。ぜひ子供から現役、お年寄りまで全ての世代が安心できる子育て施策、介護、高齢者福祉医療施策などの幅広い意味での社会保障施策を国任せにせず、県も市町、企業、県民などから意見や要望をお伺いし、ニーズを把握した上で、質の高い施策、愛媛ならではの事業に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、お尋ねいたします。  子供からお年寄りまで全ての方が安心できる子育てから介護、福祉、医療の充実について、国に頼ることなく、県みずからできるものから取り組みを進めていくべきと考えますが、御所見をお聞かせください。  次に、子供の虐待について質問いたします。  千葉県野田市では、小学4年生の女児が虐待により、とうとい命を失う事件がありました。  女児は生前に、お父さんに暴力を受けています、先生、どうにかなりませんかとSOSを送っており、学校や児童相談所の適切な対応があれば十分助かる命でした。  しかし、市教育委員会は、独断で女児のSOSのアンケートをコピーし父親に渡してしまい、児童相談所は、父親の不審な行動や虐待の危険性を認識しながらも女児を帰宅させてしまうなど、信じがたい対応をとっていました。さらに、学校側は、暴力を否定する書面を父親が女児に書かせたことを把握しておらず、校長は、書面のことを把握していれば、父親がそういうことをする人だとの認識を持って対応できたかもしれないと述べており、学校と児童相談所の連携の不十分さが浮き彫りとなりました。関係機関の不誠実な対応により助かる命が助からなかったことに対し、私は何とも言いがたい悔しさと憤りを強く感じております。  今回の野田市の事件を受け、政府は2月8日、再発防止に向け、2022年度までに児童福祉司を2,020人程度増員する計画を前倒しし、来年度に17年度比で1,070人程度増員することや、子供の安全を第一に、虐待する保護者に対し通告元及び資料は一切明かさないこと、保護者の威圧的な態度には複数機関で対応すること、全虐待事例について、1カ月以内に安全確認を行うなどを柱とした新たな対策を決定しました。  しかし、いかに対策を強化したといえど、現場職員が真摯に対応できなければ、政府の対策も絵に描いた餅となってしまいます。実効性ある児童虐待防止対策を構築するためには、制度強化だけではなく、現場職員虐待防止に対する正しい専門知識の定着や子供の命を守るという強い使命感が必要ではないでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。  今回の野田市の事件で、助かる命が助からなかった原因はどこにあるとお考えでしょうか。また、児童虐待防止対策を実効性あるものとするため、今後どのように取り組むのか、お聞かせください。  次に、公共交通について質問いたします。  2015年に交通政策基本法に基づく交通政策基本計画が閣議決定されました。同計画は、交通に関する施策を総合的に定めた政府として初めての計画であるとともに、数値目標を掲げ、我が国が直面する経済社会面の大きな変化に的確に対応し、将来にわたって国民生活の向上と我が国の発展をしっかりと支えることができる交通体系を構築するものと期待されています。  加速度的に進む高齢化、人口減少社会地方過疎化の中においては、公共交通全体の需要が減少する可能性があり、現在の交通サービス水準路線そのものの長期的な維持・存続、事業者の経営がますます困難になるだろうとも想定されます。  こうした状況を直視するとき、交通政策を単なる既存の交通機関の維持策や交通モードの取捨選択と限定的に捉えるのではなく、まちづくり地域振興、産業、観光政策を初めとする各種経済社会政策と連動させる必要があり、交通政策の基軸に公共交通を位置づけるとともに、その根幹としては、交流人口という不安定で短期間滞在する人たちのためではなく、文字どおり、そこに居住する人、つまり居住者人口の維持増大が肝要であり、まちづくりそのものと捉えた総合的な政策が求められると考えます。  また、国土交通省は昨年4月、地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針を改正しました。今後の課題として、この基本方針の改正により、公共交通の利用促進、各地域の実情と課題にあわせたきめ細やかな政策づくりにつなげていくことが必要と考えます。  本県では、県内全域を対象とした広域的な愛媛県地域公共交通網形成計画を2017年度末に策定し、2018年4月から5年間を計画期間としており、緒についたばかりではありますが、着手してみての問題の根深さや新たな課題にも出会っているのではないかと推察されます。  さらに、地域の公共交通を維持、活性化していくためには、運転手等の人材をどう確保していくかが大きな課題であります。自動車運転業の平成30年12月の新規求人倍率は3.20と、全業種の平均倍率2.43と比較して高い状況にあります。このような中、新聞報道では、貸し切りバス需要が伸びているのに、運転手不足で受注を抑えているといった事業者の声もあります。  そこで、お尋ねいたします。  交通政策基本計画を踏まえ、鉄道や航路等の役割分担及び連携について、県ではどのように考えているのか。また、愛媛県地域公共交通網形成計画の重要性と推進への決意をお聞かせください。  さらに、公共交通の維持、確保に必要な人材の確保についてどのように取り組まれるのか、お聞かせください。  これに関連して、四国新幹線について質問いたします。  これまで我が会派の議員から四国新幹線建設に対する疑問を提起し、慎重な対応を求める立場から、数回にわたり質問してまいりました。  改めてお尋ねいたします。  新幹線整備への根拠として、四国の鉄道高速化検討準備会による基礎調査資料でケース3−1の場合であれば、費用便益比が辛うじて1.03となることを錦の御旗として推進されていますが、我々の疑問に対し、詳細は整備計画に格上げされた後に行うのであって、基礎調査整備計画に格上げしてもらうためにまとめたものであると漏らす関係者の声を耳にします。進めるがための調査であるとするならもってのほかであります。  そこで、具体的に申し上げます。  昨年2月議会に村上議員から、四国内の県庁所在地から岡山に乗り入れる電車は、全て乗りかえなく山陽新幹線に連結できるように見えるが、何便乗りかえなしで接続できるのかとただしたのに対し、企画振興部長から、山陽新幹線へ乗り入れる列車の本数は、1日当たり松山から16本、高知から16本、徳島から高松経由で16本、合わせて48本とし、全て岡山駅で山陽新幹線と連結して新大阪まで乗りかえなしで移動するというふうに想定しているとの答弁がなされています。  ところが改めて検証してみますと、検討準備会基礎調査資料2−66ページには、県庁所在地から発車する電車はほかにもあり、これらについては、接続部で乗りかえることにより、岡山から松山、高知、それぞれ32本のサービスが提供されるものと記されています。  また、岡山に向かう48本全てが本当に連結できるのか、山陽新幹線運行の状況から考えて、必ずしも実現できるとは考えられません。県民に対し幻想を抱かせることのないようしっかり説明する必要があると考えます。  そこで、お尋ねいたします。  山陽新幹線へ乗り入れる列車は、48本全てが岡山駅で連結できるとの答弁は、どのような根拠に基づいているのかお示しください。  また、政務調査として実施したアンケートでは、新幹線に期待するという声がある一方で、必要とは思わない、採算がとれるとは思われず、地域のためには在来線の存続、充実こそが大切だという声もありました。  また、川島令三さんが著した全国鉄道事情大研究(四国編)に目を通しますと、四国の県庁所在地の間を安全で短時間に移動するには、鉄道の近代的な設備が必要であるとしつつ、現在の新幹線構想は膨大な投資を必要とし、節約が求められる。また、現在の予讃線では、松山以南についても、車、高速道に対して優位に立てていなく、一線スルー駅での改良なども提起されており、一部地域の利便性向上の影で、ほかの地域が取り残されるのは忍びないのであります。  鉄道と道路、航空路や航路の維持、そして、唯一の生活道でありながら高い高速料金を負担せねばならない県民がいることにも配慮した交通の確保を初め、県内どこに住んでも、心も環境も社会資本も豊かで安心して暮らせる愛顔と夢あふれる日々でありますよう切に願うのであります。  そこで、お尋ねいたします。  四国の新幹線導入に対してはさまざまな意見がありますが、それらを踏まえた県の基本姿勢についてお聞かせください。  終わりに、一言述べさせていただきたいと思います。  実は、私は11年前に体調を損ねたことから松山市議の職責を離れたのでありますが、その後、機会を得て、はえある県政の場へとお送りをいただき、8年間務めさせていただきました。振り返りますと、今から30年前、尊敬してやまない今は亡き当時の社会党委員長土井たか子さんから出馬要請を受け、松山市議5期20年、そして、県議2期8年間、務めさせていただきました。  まだまだやり残したこと、やりたいとの心情もあり、仲間の理解を得て、ぎりぎりまで苦悩してまいりましたが、やはり体調整わず、今任期をもって引退をする決意を固めました。  改めまして、議員各位の温かい御指導を賜り、無事に任務を終えようとしておりますことに、壇上からではありますが、心から感謝を申し上げたいと思います。皆さん、ありがとうございました。  皆様方の引き続いての御活躍と県政の発展を祈念申し上げ、私の最後の質問を終わらせていただきます。  本当にありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 逢坂議員にまず、政府統計についての御質問にお答えをさせていただきます。  統計は、我が国の経済や社会の実態を映す鏡であり、政策立案の基礎となるほか、事業効果を検証する際にも重要な役割を果たしておりますが、厚生労働省による毎月の勤労統計の不適切事案に端を発した数々の基幹統計の不適切な処理は、大変ゆゆしき問題と捉えており、国政への信頼を揺るがす事態を国全体で重く受けとめて、原因究明と再発防止に向けた建設的な議論を重ねるべきではなかろうかと思います。  一方、6年目を迎えたアベノミクス政策は、企業業績の回復や雇用環境、失業率の改善などが見られるものの、地方においては景気回復の実感が乏しく、カンフル剤としての大胆な金融緩和や財政出動政策は限界に近づきつつあるため、将来を見据えた地域経済の活性化に資する実効性ある成長戦略を強力に推進していただきたいと思います。  また、遅々として進んでいない財政再建と一体となった社会保障制度の抜本改革や、権限と財源を大幅に移譲する地方分権改革、消費税率引き上げ等で国民負担の増加を求める際に国民に約束した国会議員の定数削減などの身を切る改革、不透明な国際情勢に対する国益にかなう対応など、山積する課題に全ての国会議員が正面から向き合って、スピード感を持って国民に見える形で成果を積み上げていただくことを切に願う次第であります。  次に、当初予算の編成についての御質問にお答えをさせていただきます。  来年度当初予算の編成に当たりましては、まずは最優先課題であります豪雨災害からの復旧・復興に全力で対応することとし、特に、防災機能の強化につきましては初動検証を先取りして、戸別受信機の整備支援や自主防災組織の強化など、ハード・ソフト両面にわたる対策を講じることといたしました。  また、公約の3本柱に掲げました重点施策の深化を図るため、最新のIT技術を活用した営業活動を初め、台湾便の就航等を踏まえたインバウンド対策、県独自の子育て支援に向けた官民共同ファンドの創設準備、さらには、エアコンや電子黒板の整備による教育環境の充実など、芽出しを含め、新規施策を積極的に盛り込み、公約実現に向けた取り組みを本格化させる一方で、将来の財政負担にも十分に目配りしながら、削るべきものは削り、やるべきことはやるというメリハリの効いた予算編成に努めたところでございます。  今後の財政運営につきましては、計画的に積み増ししてきた基金の残高が災害対応のため大幅に減少しており、国との交渉により特別の発行が認められた県債や特別交付税などを活用して一部復元するものの、依然厳しい状況が続きますことから、スクラップ・アンド・ビルドを徹底した予算編成や、今回の災害で一定規模を確保する必要性を痛感した基金の着実な積み増し、交付税措置のある県債の活用による将来負担の抑制などを通して、公約の実現と財政健全化の両立にしっかりと取り組む所存でございます。  次に、岡山理科大学獣医学部に関する御質問にお答えをさせていただきます。  昨年7月に県議会におきまして、対外的な説明責任を果たし、学園のコンプライアンスとガバナンスを確立することなどを求める決議が全会一致でなされたことなどを受けまして、加計学園理事長が、10月に県内の報道機関も含めて、オープンな形で記者会見を行ったという事実につきましては率直に評価しておりますが、説明全体に関して全て腑に落ちているわけではありません。  ただ学園側が虚偽の話をしたことを認めたことで、県の職員が正直に真面目に仕事をしていることは証明されましたので、その意味における県に対しての説明責任は果たされたものと受けとめております。このことを前提にしてなされた学園の設置申請が妥当か否かは、許認可権限を有する国が判断することになります。  一方で、会見を受けて、説明が足りない、根拠を示してもらいたいなど報道各社から指摘された点につきましては、学園全体の信頼を高めるとともに、既に勉学に励んでいる学生や現場で汗をかいている教職員のためにも、学園の最高責任者が、今後とも疑念を払拭する努力を続けていただきたいと思います。  なお、加計学園理事長と安倍首相の面会に関する県への虚偽報告については、文部科学省に直接確認させていただきました。学部の設置認可には影響しないとの回答であったことから、現時点では、県が今治市の取り組みを支援していくことは問題ないものと考えております。  次に、子供医療費助成についての御質問にお答えをさせていただきます。  本県における子供医療費助成は、県による就学前の乳幼児医療費助成制度に各市町が独自の上乗せ助成制度を設けることにより、県と市町の共同事業として実施されており、現在、多くの市町で中学校卒業まで医療費助成が行われております。  また、現在、松山市におきましては、中学生までの医療費助成拡大に向けて検討が進められていると聞いており、今後、松山市から正式に要望があれば、これまで補助率引き上げによって助成制度の充実を後押ししてきた経緯を踏まえ、もちろん県の財政状況も勘案しながら、可能な範囲で支援を拡充することを検討したいと考えております。  今後、西日本豪雨災害からの復旧・復興対策に最優先で取り組む中、県の医療費助成制度の対象拡大には、さらに多くの財源の確保を要することから、県としては、現在の助成対象を維持したいと考えております。  しかしながら、本制度は本来ナショナルミニマムで考えられるべき制度であり、そういう意味においては、今後とも、本来は国がやるべきことであり、国の責任において子供医療費助成制度を創設するよう、引き続き求めてまいりたいと思います。  最後に、先ほど思わぬ御発言がございましたが、今議会をもちまして逢坂議員さん、御引退をされるということでございました。
     松山市長時代も含めて、県政、長きにわたって、お互い地域の発展のために論戦をしてきた歴史がございますけれども、時にして、例えば松山市時代は松山競輪場の移転問題、県においては例えば原発に対する向き合い方、異なる立場での論戦もありましたけれども、ただやみくもに反対されるわけではなくて、お互い現実というものをしっかりと踏まえながらの議論であったというふうに思います。  いずれにいたしましても、長きにわたりまして、松山市や愛媛県、その発展のために御尽力をいただいたことに心からの敬意を表させていただきますとともに、どうぞ御健康に十分留意されまして、本当に健康第一だと思いますので、御回復を心から願っております。そしてまた、一県民として、ぜひその経験を生かして、地域の発展のために御尽力を賜りますよう心からお願い申し上げます。  その他の質問につきましては、関係部長の方から答弁させていただきます。 ○(西本牧史企画振興部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 西本企画振興部長   〔西本牧史企画振興部長登壇〕 ○(西本牧史企画振興部長) まず、人口減少対策に関する御質問のうち、移住施策の取り組みについてお答えをいたします。  本県では、移住施策の5本柱として、大都市圏での移住フェア等による積極的な情報発信、移住コンシェルジュを中心とした切れ目のない相談体制の構築、あのこの愛媛のサイト開設を初めとする就業の促進、市町と連携した住まいの確保支援、えひめ暮らし応援隊等による定着支援を掲げまして、平成27年度から年々取り組みを拡充・強化してきたところでございます。  この結果、県外からの移住者数は、28年度が557人、29年度が過去最高の1,085人と毎年大きく増加しておりまして、30年度も12月末の時点で既に前年度を上回る1,233人に達しております。  円滑な移住環境づくりに向けては、移住後のミスマッチを少なくすることが重要であり、魅力体感ツアーでは、参加者と先輩移住者や地域住民との交流により相互理解を図るなどきめ細かな支援に努めておりまして、今後とも市町や関係団体、地域おこし協力隊等と緊密に連携し、オール愛媛の体制で移住者の誘致を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、公共交通の役割分担の考え方などについての御質問ですが、鉄道や航路、バス等の公共交通は、住民生活や広域交流の重要なインフラであることから、県としては、役割分担や連携強化が不可欠と考えておりまして、県地域公共交通活性化指針に基づき、各交通機関の特性を生かした交通網の構築や相互連携によるシームレス化を推進しているところでございます。  また、昨年3月、県地域公共交通網形成計画を策定し、まちづくりを初め、観光、福祉、教育分野と連携した持続可能な地域公共交通ネットワークの再構築に取り組んでおりまして、今年度はその具体化を図るため、利用者の減少が急速に進む南予地域を対象に、路線の再編や運行形態の見直しなどを定める地域公共交通再編実施計画を策定しております。  今後とも、利便性の高い地域公共交通の実現を目指して、市町や関係機関との連携、協働をより一層強化し、住民の皆さんが引き続き地域で安心して暮らしていけるよう、地域の実情に応じたきめ細かな対策を講じてまいりたいと考えております。  次に、公共交通の人材確保の取り組みについての御質問ですが、運輸業を取り巻く環境は、高齢化の進展や若年求職者の減少等により厳しい状況にあり、運転手不足によって公共交通や物流の維持が困難になることが危惧されておりまして、若手人材の確保は喫緊の課題と認識をしております。  このため県では、平成28年度から、女性運転手の活躍や船員の仕事等を紹介するパンフレットを作成し、学生や若年求職者の勧誘を図るとともに、職場見学会や事業者への研修会を開催するなど、運輸業への理解促進や事業者の意識改革に努めてきたところでございます。  さらに、来年度は、運輸業の魅力を発信する現地説明会の東・中・南予での開催や、大都市圏でのマッチング支援のほか、人材獲得採用に向けた実践研修会の充実を図りたいと考えておりまして、県バス協会やトラック協会が独自に行う大型免許取得者に対する助成制度と連動しながら、地域住民の足であり、かつ経済活動の重要なインフラである公共交通の維持に必要な人材確保を支援してまいりたいと考えております。  続きまして、四国新幹線に関する御質問のうち、基礎調査の列車本数の根拠ですが、四国の鉄道高速化検討準備会による基礎調査は、国土交通省鉄道局が監修した鉄道プロジェクトの評価手法マニュアルに従って実施されたものでありまして、山陽新幹線へ乗り入れる48本の列車本数は、あくまでも本調査における需要予測や概算事業費試算のための前提条件として設定されたものでございます。  この48本という運行本数は、松山、高知、徳島から各16本、それぞれ1時間当たり1本の運転を想定したものでありまして、その妥当性ですが、四国から岡山へ向かう列車の運転本数は、調査時点当時、しおかぜ等の特急が29本、マリンライナーが39本であること、また、新幹線開業により新たな需要の創出が期待できること、さらには岡山駅からの上り新幹線の本数が100本以上あることから、調査の前提条件として妥当なものと受けとめております。  最後に、さまざまな意見を踏まえた県の基本姿勢についてお答えをいたします。  四国への新幹線導入によって移動時間が大幅に短縮され、交流人口の拡大による地域の活性化や観光振興はもとより、企業の立地促進や市場拡大による経済発展、災害に強い地域づくりやJR四国の経営基盤強化による鉄道ネットワークの維持にも貢献するなど、さまざまな分野で大きな効果が期待されております。  一方、メリットだけでなく、整備費用に対する地元自治体の費用負担や並行在来線の運営をどうするかなどの課題が生じることも認識しておりまして、県としては、引き続き県民の皆さんに対し、新幹線がもたらす経済効果や利便性の向上、整備スキームや財源問題等を丁寧に説明していく必要があると考えております。  このため、県民の皆さんの理解が一層深まるよう、今後とも、あらゆる機会を通じて新幹線の導入効果や必要性等を広く周知してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) 人口減少等に関する御質問のうち、結婚・子育ての環境づくりについてお答えをいたします。  若い世代が安心して結婚・子育てができる将来像を描けるためには、保育サービスの充実はもとより、結婚・子育てに関する不安の解消や、子育てと仕事の両立支援等の環境整備が重要であり、県では、子育て応援アプリきらきらナビによる結婚、妊娠、子育ての各場面に応じた情報発信に加えまして、学生を対象としたライフデザインや子育て体験講座の開催等により、若い世代の意識啓発を図るとともに、えひめ子育て応援企業認証制度の推進など、企業と連携して子育てがしやすい職場づくりに取り組んでいるところであります。  来年度は、県民の子育ての実態等について調査するとともに、官民共同による仮称子育て応援ファンドの創設に向けて取り組むほか、大学や地域と連携し、夏休み等の長期休暇中の子供にさまざまな体験を提供するモデル事業を実施するなど、社会全体で子育てを応援する機運の醸成を図ることとしておりまして、今後とも、オール愛媛による取り組みを促進し、若い世代が結婚や子育てに夢を持ち、安心して子供を産み育てることができる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。  次に、子育て、介護、福祉、医療の充実への取り組みについてお答えをいたします。  少子高齢化の急速な進展に伴う国の社会保障費の増加と相まって、県予算の社会保障関係経費も、毎年自動的に約25億円のペースで増加をしており、県財政への負担が大きくなっているところであります。  このような中、県では乳幼児やひとり親家庭、重度心身障がい児等に対する県単独の医療費助成を行っておりますほか、紙おむつメーカーとの協働による子育て世帯への紙おむつ購入支援や県在宅介護研修センターと連携した働く世代の介護力を強化する取り組み、ビッグデータとICTを活用した生活習慣病予防など、子育てや介護、福祉、医療の各分野において、本県独自の施策を実施しているところであります。  また、来年度からは、子育てのさまざまなニーズに対応した支援を行う官民共同ファンドの創設や、AIを活用した自立支援のためのケアプランの導入などにも取り組むこととしておりまして、今後とも、限られた財源の中で県が行うべき事業の創意工夫に努め、県民の安心につながる各種施策の積極的な展開を図ってまいりたいと考えております。  次に、野田市の事件の原因と児童虐待防止対策についてお答えをいたします。  現在、国及び千葉県等関係自治体において、今回の事件の検証作業が行われているところでありますが、報道等で指摘されておりますように、児童相談所の一時保護の解除や市教育委員会の父親へのアンケートの提供など、児童とかかわりを持つ各機関の不適切な対応や連携不足が、重大な結果を招いた大きな原因の一つと考えております。  児童虐待の防止には早期発見・早期対応が何より重要であり、県では、その核となる児童相談所に、警察官や教員、福祉職など専門性を有する人材の配置や、弁護士による法的支援体制の整備を行いますとともに、警察との情報共有の拡大など関係機関との連携強化を図りますほか、市町の要保護児童対策協議会に児童支援コーディネーターを派遣するなど、市町の体制強化にも努めているところであります。  また、虐待防止対策の実効性を確保するため、児童福祉司任用前の職員への基礎研修や、職員の対応力を高めるより実践的な研修、市町職員への専門研修を実施するなど資質向上にも努めておりまして、今後とも、これらの取り組みを強化することで、虐待対応の最前線を担う職員の専門性の向上や使命感の醸成を図り、関係機関一体となって、児童虐待の防止対策に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(鈴木俊広議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時27分 休憩   ―――――――――――――――      午後1時 再開 ○(鈴木俊広議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(笹岡博之議員) 議長 ○(鈴木俊広議長) 笹岡博之議員   〔笹岡博之議員登壇〕 ○(笹岡博之議員) (拍手)公明党の笹岡博之でございます。  公明党会派を代表して質問をさせていただきます。  平成の世も間もなく終わりとなります。5月には新天皇の御即位とともに元号が改まり、新たな時代が幕をあけることとなります。  自分にとっての平成は、冷戦の終結とバブルで始まりました。希望に満ちた新時代のイメージもあり、若干浮かれていたことも思い起こします。当時は自営業で、比較的時間に余裕も持てたことから、ベルリンの壁崩壊をこの目で見ようと、ドイツへ貧乏旅行に出かけたりもしました。  当時のことを思い起こすと、東ベルリンの広場では、大規模な集会があちこちで開催されていました。集会における若者の熱気はすさまじく、言葉は理解できないものの、新しい時代をつくるのは自分たちとの情熱と熱気に感動を覚えたのをきのうのように感じます。あの中には東ドイツ出身のメルケル首相もいたかもしれません。その後のヨーロッパでは、EU創設へとつながっていくわけであります。  印象的だったのは、その熱気ある広場の横の屋台でビールを求め並んでいた年金生活風の年配の方々の不安そうな表情でした。今思えば、お一人お一人にさまざまな人生のドラマがあり、戦争も体験され、大変な御苦労があったのだろうと想像いたします。平和で安心できる世の中を望む庶民の心は、万国共通なんだとしみじみ思うところであります。  世界が新しい秩序を模索する中で、平成の世は終わり、日本は新しい時代を迎えることとなるわけであります。ことしは、さまざまなイベントもめじろ押しとなっています。5月には退位・即位の行事に伴い、外国からも多くの賓客の訪問があります。そして、6月にはG20、20カ国・地域首脳会議が日本で初めて、大阪で開催をされます。自由貿易体制の維持に向けて、議長国としてリーダーシップをぜひ発揮していただきたいと思います。我が県でも、関係会合として、G20愛媛・松山労働雇用大臣会合が9月に開催をされます。  そして、10月からは、消費税率が10%に引き上げられます。その際、食料品や生活必需品を現行の8%に据え置く軽減税率の制度の導入や、低所得者・子育て世帯に配慮したプレミアムつき商品券発行など、有効な施策が円滑に実施される必要があります。  また、未来を見据えた全世代型社会保障が始まります。ことし10月からは、幼児教育の無償化が行われ、来年4月からは、公立高校に加えて、私立高校の授業料が実質無償化、大学や専門学校など高等教育の一部無償化もスタートいたします。教育負担の軽減を公約に掲げてきた私たち公明党、皆様の期待に応えるべく、国と地方が団結して頑張っていきたいと思っております。  同時に、高齢者の支援についても、低年金者への月最大5,000円の加算や、低所得者の介護保険料の一層の軽減が、ことし10月から実施の方向となっております。  私ども公明党会派は、大衆とともにの立党精神のままに、県民の声を大切にする現場主義の姿勢を堅持していく決意であります。同じく現場主義と県民目線に徹する中村知事と協調しながら、県民生活の幸福のために尽力していくことを申し上げ、質問に入らせていただきます。  昨年の西日本豪雨は我が県に大きな被害をもたらし、自然災害の脅威を改めて感ずることとなりました。松山市でも、高浜や中島、津和地を歩きますと、まだまだ土砂が流出したままとなり、全半壊した家屋の撤去は一定進んではいるものの、車が半分埋まっている箇所や家屋横まで土砂が迫っている箇所など、豪雨災害のすさまじい爪跡が多く残されております。  ミカン園地も大きな被害を受けています。無事だった園地では、伊予カン、せとかの収穫とカラマンダリンの手入れで大忙しです。しかし、被害の大きかった園地の再生は、これからという状態であります。ミカン農家をやめることがないよう、きめ細かな支援で一刻も早い復興を願ってやまないところであります。  まさに災害列島の感があった昨年、大阪府北部地震、西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震、台風災害などに加え災害級の猛暑と、日本列島はどうなっていくのか不安を感じる日々でもありました。  これから西日本豪雨災害からの復興支援に全力で取り組むとともに、予想される災害への備えもしっかりと行う必要があります。特に南海トラフ地震は近い将来確実に起こると思われますので、できることはしっかり行っておく必要があります。  国は、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を推進することを打ち出し、その事業規模は約7兆円とされております。それに呼応する形で、先般の臨時議会で可決されました2月補正予算と来年度当初予算案の防災・減災強化枠の中に盛り込まれていると認識をしております。  そこで、お伺いをいたします。  防災・減災対策は多岐にわたります。そして、ソフト・ハード両面にわたり、進めていく必要があります。また、予算に限りがあることや、短期間で全ての対策を行うことは困難であることから、事業の実施に当たっては、優先順位をつけることも必要となります。公共土木施設の防災・減災対策における今後の取り組み内容について、御見解をお示しください。  西日本豪雨災害時に、避難情報の伝達手段と避難勧告等の発令のタイミングが問題となりました。豪雨のときには、屋外スピーカーの放送は雨音にかき消され聞こえないとの指摘も多くなされております。また、戸別受信機も電池切れであったという話も耳にします。一人の犠牲も出さないとの強い決意で、市町と連携しながら、どのように地域防災力を高め、避難時の対策を準備するのか、お聞かせ願いたいのであります。  災害時に罹災証明書の迅速発行や被災者情報を一元管理できるとされる被災者生活再建支援システムの導入費が予算計上されています。同様のシステムで、地方公共団体情報システム機構からも公開をされています基本無料の被災者支援システムを採用している自治体も多くあると承知をしております。今回導入予定の被災者生活再建支援システムの特徴や導入メリットと将来のランニングコストを被災者支援システムとの対比も含めてお示しください。  子供の医療費助成の拡充について質問をいたします。  本年10月から幼児教育の無償化が本格的に開始されることとなりました。また、来年4月からは、高等教育の無償化についても大きく進展が図られることとなり、子育て世代や進学を希望する高校生などから喜びの声が多く聞かれます。本格的な少子高齢化社会に突入した我が国にとって、子育て支援は欠かせない政策であります。  資源の少ない我が国は、外国から輸入した資源を加工し、高付加価値の工業製品として輸出するというビジネスモデルで今日の成長を手にしました。しかし、世界は激変をしています。新しい形態とビジネスモデルを模索しないと、あっという間に取り残されてしまうという現実があるのも事実であります。  この激しい変化に対応していくのも人であります。我が国にとって最強の資源は人材であります。その人をつくるのは教育であります。テクノロジーとともに、豊かな人間性を兼ね備えた人材こそ、新時代の日本を支えてくれると信じてやみません。  また、過去何回か経験した消費税率の引き上げに伴う景気の落ち込みを緩和する意味でも、最も消費が期待できる子育て世代に、消費できる余裕を少しでも多く持ってもらうことは、政策的にも整合性がとれていると考えるところであります。  私たち公明党は、教育負担の軽減を初め、子育て支援策の拡充に全力を傾注してまいりました。貧困や格差の連鎖が続くような社会は、いずれ希望と活力のない状況に追い込まれることは、歴史が証明するところであります。  さて、子育て世代を中心に、家計における子供の医療費が負担であるとの地域の声を多く耳にします。そうした声を受け、昨年1月から2月下旬にかけまして、公明党愛媛県本部では、中予総支部を中心に、松山市民を対象に子供医療費助成制度の拡充を求める署名活動を行いました。その結果、予想を大きく超える12万9,576人の市民の皆様から賛同の署名をいただきました。  野志市長も、昨年11月の松山市長選における3期目の公約として、イの一番に子育て環境を充実し、子供たちの未来を応援する松山をと主張され、選挙期間中には中学生までの医療費の無料化を市民の皆様に訴えられました。さらに、9月には、松山市議会議員の超党派の有志が、野志市長に子供医療費助成制度の拡充を求める要望書を提出されました。  子供の医療費助成の対象を広げることにより、経済的な理由で病院に行けない子供たちがいなくなり、子供の健康の保持、増進が図られます。そして、病気の重篤化を予防することにもつながることから、結果として医療費の適正化にも効果があると考えるところであります。  そうした中、松山市の子供医療費助成拡充について、野志松山市長、そして知事からも相次いで発言がなされております。2月12日の記者会見では、野志市長から、中学卒業までの医療費無料化については、6月議会でシステム改修費の予算化を図る方針との話がありました。また、中村知事は2月14日の定例記者会見で、乳幼児医療費助成事業の県費補助引き上げについて、市から正式な要請をいただいていない、できる限りの対応の用意はあるとの趣旨の発言をされました。  松山市で小中学生までの通院までを対象に拡充すると、市単独経費で約7億円の財源が必要であると聞いております。松山市への同事業への県費補助率は4分の1で、他市町と同等の2分の1まで拡充されると、財源確保への道が開かれると大いに期待するところでもあります。  そこで、お伺いをいたします。  松山市の中学生までの医療費無料化に対し、県はどのような支援を考えているのか、お聞かせを願いたいのであります。  競泳のエースであります池江璃花子選手が、血液のがんと言われる白血病であると公表されました。日本全国に衝撃が走りました。治療に専念され、一日も早い回復を祈らずにはいられません。  昨年、大事な友人をがんで失いました。調子の悪さをずっと訴えていましたが、なかなか原因を特定できず、肺がんと診断されたときには、ほかの部位に転移をしておりました。オプジーボに望みをかけたのですが適合せず、残念な結果になりました。働き盛りの世帯主を失うと家族も大変です。一層のがん対策の進展を願うばかりであります。  がん登録推進法に基づき、全国の全てのがん患者のデータを集計した全国がん登録、2016年の集計結果が厚労省より発表をされました。それによりますと、新たにがんと診断された人は、年間の過去最多を更新して99万5,132人、愛媛県は1万2,676人でありました。  今回は患者数についての集計でしたが、今後の治療の状況や5年生存率などのデータをもとに、がん対策がさらに進展することを期待してやみません。日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる。死亡原因の第1位はがんであります。高齢化の進展により、当面、がん患者の増加は続くと考えられます。  ただ、がん医療の最前線では、革命的なことも起こっております。がんゲノム医療であります。昨年、ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑教授。その研究成果をもとに開発されたがん治療薬オプジーボも、ゲノム医療の成果であります。細胞は、遺伝子すなわちゲノムの傷が重なることにより、がん化をすると言われております。がんにかかわる遺伝子に作用する分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤であるオプジーボもその一つであり、この開発により、がん治療は、劇的に進化すると予測をされております。ゲノム医療が適用となるがん患者は現在、全体の十数%と言われております。しかし、このゲノム医療により、近い将来、がんが克服されると考えているがん治療関係者は多いようであります。  手術療法でも、ロボット支援手術や内視鏡手術等の普及により、手術範囲をできるだけ少なくし、患者の体への負担を軽減する技術が開発をされております。放射線治療も格段の進歩を遂げ、手術と同等の治療効果が得られるようになってまいりました。  このような中でも、依然として、がんは本県においても死亡原因の第1位を占めており、県民の生命や健康を脅かす重大な脅威と言えます。死亡率を低下させるためにも、がん患者を含む県民の視点に立った総合的ながん対策の推進が望まれます。  また、がん治療が進歩し、生存率も格段に上昇しつつある中で、患者ニーズも変化し多様化をしております。がんのつらさは、体の痛みや精神的苦痛のみならず、外見変化や就労の問題、家族の問題、治療費の問題など、抱える悩みも深刻であります。こういった状況で、がん診療連携拠点病院に設置されるがん相談支援センターや町なかサロンの果たす役割はますます重要となってくると考えるところであります。  そこで、お伺いをいたします。  1つは、がんによる死亡率の低下に向けて、県はどのような取り組みをされているのか、お聞かせを願いたいのであります。  2つは、がん相談は丁寧に聞くことから始まるので、対応件数に限りがあるとは聞いております。その上で、がん相談支援センターと町なかサロンの利用状況と、患者とその家族への周知をどのようにされているのか、お聞かせを願いたいのであります。  関連して、在宅緩和ケアと若年者へのがん対策について質問をいたします。  2012年にスタートしました県在宅緩和ケア推進モデル事業。当初、大洲と今治で始まり、2014年に八幡浜、2016年に宇和島で開始をされました。2018年から西条でも事業開始に向けた準備が始まっております。また、比較的医療資源が多い松山圏域では、松山市在宅医療支援センターが在宅緩和ケアの調整をしていると聞いております。  愛媛新聞が先月、15回にわたり、本県の在宅緩和ケアの現状について特集記事を組まれました。私も2013年、大洲市の喜多医師会病院で月1回行われているがん患者に対する在宅緩和ケア推進モデル事業の報告会に出席させていただいたことがあります。当時、2年間で終了するとされていたモデル事業が、関係者の御努力により、現在5地域に広がっていることに対しまして、心からの敬意を表したいと思います。  愛媛新聞の特集記事を読みながら、当時の情景がまざまざとよみがえってまいりました。また、たくさんの人たちの熱い思いがあって、先進的と言われる愛媛県の在宅緩和ケア事業が進展しつつあるのだと改めて認識をいたしました。  この事業は、国が進めている地域包括ケアシステムとも連動し、まだまだ課題があるとはいえ、真にモデルケースとして機能し始めていると思います。住みなれた環境でがん治療を受けたいとの希望は、よく耳にするところであります。  そこで、お伺いをいたします。  在宅緩和ケアに係る本県の現状や課題と、県民に対する周知の方法も含めて、今後、どう取り組んでいくのか、お聞かせを願いたいのであります。  2つ目に、40歳未満の成人がん患者が在宅で療養を希望する場合、介護保険が使えないので金銭的負担が大きいとの声を聞きます。高齢の方に比べて、数的には少ないだろうと想像しますが、何らかの支援も検討すべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
     次に、生活排水処理について質問をいたします。  本県における2017年度末の汚水処理人口普及率は78.1%と、前年度に比べ0.9ポイント増加したとはいえ、全国42位と、全国平均90.9%に比較して依然として低い水準にあります。  昨年改称された愛媛県全県域生活排水処理構想によりますと、中間年度である2017年度末の汚水処理人口普及率の目標値は78.2%となっておりますので、ほぼ計画どおりに進めているとも言えます。しかし、愛媛県全県域生活排水処理構想の目標年度である2026年度の目標値でも89.9%と、現在の全国平均より低いことは気になるところであります。  1年前の代表質問で、汚水処理人口のことを質問した際、平成28年度末の単独処理浄化槽による処理人口が約20万人、くみ取り槽による処理人口は約12万人と、合わせて全体の22.8%を占めるとの答弁がありました。  そうした中、国の新年度予算案に盛り込まれた浄化槽関係の予算は、今年度に比べて1割以上の増額となり、一層の汚水処理人口普及率の向上が望まれるところであります。特に、防災・減災、国土強靱化の枠で100億円が国の方で計上されていることは注目するところであります。そこには、浄化能力が下水道と同等、災害に強い旨も明記をされております。  さらに、国の新年度予算には、新たに合併処理浄化槽への転換促進で宅内配管工事費などの助成制度が新設をされております。  この際、こういった制度をフルに活用いただき、単独処理浄化槽やくみ取り槽から合併処理浄化槽への転換を推進願いたいのであります。そして、できるだけ前倒しで汚水処理人口普及率の目標を達成してほしいと念願するところであります。  そこで、お伺いをいたします。  新しい国の助成制度の活用も含めまして、汚水処理人口普及率の目標達成に向け、県はどのように取り組んでいかれるのか、御見解をお聞かせ願いたいのであります。  最近、松山市の高浜、中島、津和地、興居島などの豪雨被災地を歩かせていただきました。かの地には、災害や困難には負けないとの強い思いを持っておられる方もたくさんいらっしゃいました。家族、そして地域の皆さんと連携しながら助け合う、そこには、たくましい庶民の暮らしがありました。ちょっとやそっとでは負けせんぞと深いしわが刻まれ、日やけした顔をほころばせながらの言葉には重みと深みがあります。そして、その姿勢には、学ぶべきことがたくさんありました。意図せず災害や事故、病気になったとき、希望が持てるセーフティーネットの構築が不可欠であるとも感じました。  中島や津和地では、ドクターヘリの出動により一命を取りとめたとの話もよくお聞きをしました。公明党は二十数年前から、救命救急時のドクターヘリの必要性、有効性を主張してまいりました。都道府県がドクターヘリを導入する際の国の補助制度の創設にも尽力をしてまいりました。  今から十数年前、南予の市議会議員をしていた大切な同志を心臓発作で失いました。救急車の到着に40分以上かかる場所です。治療が始まったのは、救急要請から1時間半以上後、ドクターヘリがあったとしても結果はわかりませんが、このときほどドクターヘリがあればと強く思ったことはありません。  その後、予算面を考え、過渡的措置として消防防災ヘリのドクターヘリ的運用を提唱させていただきました。  南予に行ったときには、動脈剥離を患った際に消防防災ヘリのドクターヘリ的運用の出動を得て、一命を取りとめたとの話もお聞きをいたしました。  2年前に、中村知事の英断によりドクターヘリが導入されました。特に医療過疎地や中山間地、離島の皆様の安心感は本当に大きなものがあります。  現場にこそ知恵がある。一人の人の悩みの後ろには、何百、何千人と同じ悩みを持っている可能性があるとの先輩から指導いただいた政治信条を再確認しながら、今任期最後の代表質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(鈴木俊広議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 笹岡議員にまず、防災・減災対策についてお答えをさせていただきます。  愛顔あふれる愛媛づくりの第3ステージでは、西日本豪雨災害からの復旧・復興を最優先課題として、スピード感を持って対応するとともに、頻発、激甚化する集中豪雨や、切迫する南海トラフ地震などの大規模災害に備え、従来から県政の最重要課題として取り組んでまいりました防災・減災対策をさらに積極的に推進することとしています。  災害時において、公共土木施設の機能を確保することは、何よりも人命を守るために不可欠でありますことから、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策も活用しながら、浸水により甚大な被害が生じるおそれのある河川を初め、ライフラインを保全する砂防施設や緊急輸送道路の整備など、重要度に応じて緊急性の高い箇所から前倒しで集中的に実施することとしています。  今後も引き続き、防災・減災対策に終わりはないとの認識のもと、限られた財源の中で、ハード整備とソフト対策を効果的に組み合わせ、県民の安全・安心の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  次に、地域防災力の向上と市町との連携についての御質問にお答えをさせていただきます。  今回の豪雨災害では、住民避難のあり方が大きくクローズアップされ、検証委員会においても、効果のあった取り組みとして、防災士を中心とした自主防災組織が地区住民を避難に導き犠牲者を出さなかった事例が報告される一方で、屋外放送が雨音等で聞こえないなど避難情報自体が伝わらなかったことや、伝わっても避難に結びつかなかったことなどが課題として指摘をされています。  このため、検証内容を、まだ最終報告は受けておりませんが、先取りして対策を講じることとし、当初予算案におきまして、ハード面では、リスクの高い土砂災害危険箇所等を対象に、市町による高性能屋外放送設備や戸別受信機の導入の支援、市町の避難勧告等の迅速な発令を支援し、住民に居住地域の避難情報を地図形式でわかりやすく提供するための災害情報システムの高度化などの経費を計上し、速やかに取り組むこととしています。  また、ソフト面におきましては、自主防災組織の活動を活性化し、効果のあった取り組みを県下に広めていくため、防災士数全国1位を目指した養成の加速と実践力の向上、市町を通じた自主防災組織の実情に応じた防災訓練や地区防災計画策定等の支援などを行うこととしており、今後も市町等と緊密に連携して地域の住民主体の避難対策を促進し、地域防災力の一層の向上に努めてまいりたいと思います。  次に、松山市の医療費無料化に関する御質問にお答えをさせていただきます。  本県の子供医療費助成は、県の乳幼児医療費助成制度に各市町が独自に上乗せすることにより行われており、県、市町の助成制度の組み合わせによって、子育て世帯の医療費負担の軽減を図っているところでございます。  中核市である松山市に対する県の乳幼児医療費助成の補助率は、三位一体改革の影響で県財政が危機的状況に陥り、8分の1まで下げられていた経緯がありましたが、平成21年度には5分の1へ、平成27年度には4分の1へ段階的に引き上げ、この財源を活用して、松山市の子供医療費助成制度の拡充が行われてきたところでございます。  現在、松山市では、中学生までの医療費無料化に向けて制度設計の検討が進められていると聞いておりますが、今後、松山市から正式に補助率引き上げの要望があれば、これまで助成制度の充実を後押しした経緯を踏まえ、一方、西日本豪雨災害からの復旧・復興に現在取り組んでいるさなかでございます、こうした中での県の財政状況を勘案しながら、可能な範囲で支援の拡充について検討する所存でございます。  しかし、この制度は本来ナショナルミニマムで行うべき制度であり、国が全責任を持って創設すべきではなかろうかとかねてから申し上げてまいりました。国に対して引き続き、全国統一の制度として子供医療費助成制度を創設するよう、今後とも強く求めてまいりたいと思います。  次に、がんによる死亡率の低下に向けての取り組みについての御質問でございます。  国立がん研究センターの統計によりますと、本県のがんによる死亡率は、平成19年からの10年間で13.9%低下したものの、平成29年の人口10万人当たりの死亡率は全国31位、75.2人となっており、がん対策は本県における重要な課題であるものと認識しています。  このため、県ではこれまで、がんの早期発見・早期治療のため、検診機関や市町等と連携して、がん検診の受診率向上に努めるほか、県内7カ所のがん診療連携拠点病院の機能強化に加え、県独自のがん診療連携推進病院を8カ所指定し、医療提供体制の充実を図るとともに、がん相談支援センターの設置や、がんを体験した人が患者やその家族を支えるピアサポーターの養成などによる相談支援体制の拡充等に取り組んできたところでございます。  さらに、平成30年3月に策定させていただきました第3期愛媛県がん対策推進計画では、がん死亡率を2022年までに全国中位の67.9人以下に減少させることを目標に掲げ、科学的根拠に基づくがんの予防、安全・安心で質の高いがん医療の提供、がんになっても安心して暮らせる地域社会の実現、この3つに重点を置いて、がん対策を強化することとしており、今後とも、市町や医療機関、検診機関等との連携のもとで、県民総ぐるみでがん対策に取り組み、がんの予防と、安心してがん医療や必要な支援を受けられる体制の整備に努めてまいりたいと思います。  その他の質問につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 防災・減災対策の御質問のうち、被災者生活再建支援システムについてお答えいたします。  県、市町連携で導入予定のシステムは、御指摘のシステムに比べ、GIS、地理情報システムでございますが、こちらを活用した住家被害認定調査の効率化、それから調査結果を自動読み取りでデータ化し、処理の迅速化が可能でございます。また、県においても罹災証明書の申請発行状況を確認できるため、適時的確な応援職員の派遣による被災市町の支援が可能でありますほか、共通のシステムでありますことから、定期的な操作研修や、発災後のサポート等による業務実施体制の確保が容易になるなどの機能やメリットを有しております。  また、ランニングコストは毎年1,000万円弱の見込みでございますが、県と市町で半額ずつ負担し、大部分の市町で10万から20万円台、多くても100万円程度と市町負担の低減化を図っております。  なお、御指摘のシステムは、県内でも9つの市町が導入しておりますが、保守管理や機能の習熟、それから既存システムの連携等に課題がありましたことから、豪雨災害では十分に活用できず、罹災証明書の交付業務は、応援職員の力もかりながら、表計算ソフト等で処理したところでございます。  こうした経緯を踏まえ、各市町でも、両システムの機能とコストを検討し、導入に賛同を得ておりまして、本システムにより、災害時の迅速かつ的確な被災者の生活再建支援に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○(金子浩一県民環境部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 金子県民環境部長   〔金子浩一県民環境部長登壇〕 ○(金子浩一県民環境部長) 汚水処理人口普及率に関する御質問にお答えします。  県では、河川や海域などの公共用水域の水質を保全するため、昨年度見直しを行いました愛媛県全県域生活排水処理構想におきまして、2026年度末の汚水処理人口普及率を89.9%に引き上げる新たな長期目標を定め、事業主体となる市町と連携しながら、下水道の整備促進や合併処理浄化槽の普及等に取り組んでいるところであります。  特に、合併処理浄化槽については、し尿と生活雑排水との一体処理が可能で、下水道と同等の高い浄化能力を有するとともに、災害にも強いことなどから、県では、市町が合併処理浄化槽を設置する事業や、合併処理浄化槽へ転換する個人に助成する事業に対し、市町の全ての要望に補助を行うなど、取り組みの加速化を図っているところであります。  県内の汚水処理人口普及率は、平成24年度からの5年間で5.1ポイント上昇するなど着実に改善されており、県といたしましては、今後さらに、市町や県民に対し、国の新たな補助制度を活用した合併処理浄化槽への転換等を働きかけるとともに、下水道につきましても、市町による円滑な整備が進むよう国予算の確保を要望するなど、汚水処理人口普及率の目標達成に向け取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(山口真司保健福祉部長) 議長 ○(鈴木俊広議長) 山口保健福祉部長   〔山口真司保健福祉部長登壇〕 ○(山口真司保健福祉部長) がん対策に関する御質問のうち、まず、がん相談支援センターと町なかサロンの利用状況等についてお答えをいたします。  県がん診療連携拠点病院に開設しております7カ所のがん相談支援センターには、患者や家族から、平成29年の実績で年間2万1,000件のがんに関する身体面、精神面、生活面の相談がありますほか、NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会が松山市内で運営する町なかサロンには、毎月20名程度の利用者があり、がん経験者やその家族が体験を生かして、がん患者への相談対応や患者、家族同士の交流会の開催など、新たにがんにかかった患者や家族を支える活動を行っております。  県では、これらの相談窓口を患者、家族に広く周知するため、県がん診療連携協議会によるイベント等での広報活動に加えまして、今年度開設したがん情報のホームページがんサポートサイトえひめにおいて、がん相談支援センターやサロンの開催状況等の情報を発信しているところでありまして、今後とも、がん患者や家族に寄り添った相談支援体制と広報活動の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、在宅緩和ケアの現状と課題等についてお答えします。  全国の死亡者のうち、自宅で亡くなる方の割合は1割程度でありますが、平成29年度の国の意識調査によりますと、末期がんと診断された場合は、約5割の方が自宅で医療や療養を受けたいとの結果が示されております。  県内4地区で実施をしている在宅緩和ケア推進モデル事業では、これまでにケアチームががん患者の在宅での治療を支援した結果、療養患者の在宅みとり率が3地区で5割を超え、残り1地区も5割に近づいており、在宅緩和ケアの提供体制が効果的に機能したものと考えております。  一方で、県内では、在宅の患者、家族と地域の医師、看護師をつなぐ在宅緩和ケアコーディネーターや在宅医療を担う医療従事者が不足していることが問題でありまして、また、在宅緩和ケアに関する情報が足りないといった声もありますことから、県としては、今後とも、コーディネーター養成研修会や症例検討会の実施等により、在宅緩和ケア提供体制の充実と質の向上を図りますとともに、緩和ケアに関する市民公開講座の開催を支援することなどにより、県民への周知拡大に努めてまいりたいと考えております。  次に、40歳未満の成人がん患者に対する支援についてお答えをいたします。  平成27年の県地域がん登録では、20歳以上40歳未満のがん患者数は212人で、がん患者に占める割合は1.8%と少ないものの、この年齢層は修学や就職、結婚・出産等、ライフステージごとに異なる課題を有しておられまして、患者や家族の多様なニーズに応じた支援が必要と考えております。  県が今年度、がん診療連携拠点病院等に対して行いました小児、思春期・若年成人世代のがん患者の在宅療養に関する相談内容の調査では、がん治療による脱毛など外見の変化を補完するウイッグ等に関する支援や治療、訪問介護などに要する費用への支援、また、治療と仕事や学業との両立への支援など幅広い相談が寄せられていたところであります。  県といたしましては、今後、この調査結果なども踏まえ、県がん対策推進委員会の御意見もいただきながら、効果的な支援策について検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。   ――――――――――――――――― ○(鈴木俊広議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明28日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時51分 散会...